大正11年8月、花巻公会堂の音楽練習室でセロを弾いている藤原嘉藤治のところへ、阿部孝が訪れる。宮沢賢治に誘われて二人は初めて出会う。その日は、賢治作詞・作曲の「星めぐりの歌」の練習日で、やがて合唱団による歌の練習がはじまった。
数日後、イギリス海岸にて、稗貫農学校応援団の応援歌練習に嘉藤治がやってくる。そこへ、「種山が原の夜」の演劇を見に、孝が登場。劇を見る二人。やがて座敷ワラシ出現の知らせが…
二人は、笹田の水車小屋へ、10人の子供が11人に増えている。やがて賢治からの手紙をたずさえて子供らがやってくる。その手紙には、賢治からの「HELLからLOVEへ」という謎かけが書いてあった。
妹トシの病気はますます悪化していた。はたして地獄(HELL)を愛(LOVE)にかえることはできるのだろうか?
カトジとタカシの二人は、さまざまに推理しながら、その謎にせまり、ついには思いもかけぬ答えにたどり着くのだった。謎にみちた賢治の詩「オホーツク挽歌」の、そこに秘められた賢治の祈りが今明かされる―。
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