時は昭和のころ、世の中は景気も良く、内高松のみんなも一生懸命働いていました。
内高松の神社には精霊が宿ると言う松の大木があり、人々はその松の木を神様と崇め奉っていたのです。
ある夏の夜、そんな言い伝えを知らない5人の高校生たちが境内で肝試しをしていましたが、暗闇を怖がる4人の男たちは唯一人の女の子《はる》を境内に残し帰ってしまいました。残された《はる》が石段に座っていると、何処からともなく、ここに住み着く守り神だという《ウラばあさん》が現れて、松の大木の精の話しを語りました。そして、肝試しで自分を置き去りにした仲間を恨んではいけないと諭します。また、近所のことや進路のことで悩んでいる《はる》に『志願の窓』と言う岩に願掛けをすれば必ずや願いが叶うと教えました。
今年も岩根神社の祭りの日が来ました。家族みんなでお参りです。
境内では、神楽が舞います。集落中の人々が見物に来ています。
『志願の窓』に、《ウラばあさん》が現れます。
この世は一人より二人、二人より三人。みんなで助け合って生きていくのだ。志願のこころを忘れずにな─。
《はる》の願いは叶うのでしょうか・・・
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