彫刻家・高村光雲の長男として生まれた高村光太郎は東京美術学校を卒業後、彫刻を本格的に追及するためにアメリカ、イギリス、フランスに留学。
父への反発や美術界への反逆精神を抱きながら画家の長沼智恵子と出会い、結婚。貧しい芸術家夫婦の暮らしがはじまる。
苦闘の続く中で同志智恵子は傷つき倒れ、光太郎はその苦悩の現実を詩集「智恵子抄」として発表。
しかし時代は暗黒へと向かい、光太郎は暗愚の道へと突っ走る。愛する人を失った男が手にしたものは殺戮の刃であった。
そしてそのいっさいが燃えつきたとき、そこには呆然と己れを振り返る己れが立ち尽くしていた・・・。
しかし光太郎は前を向いて歩く。自分の道を切り開くように。
岩手の自然を愛し、美を求め続けた光太郎がそこにいた。
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