舞台は船越保武のアトリエからはじまります。谷村貞治は、完成した銅像の原形を前に、いままでの思いを語っていく。いつしか舞台は貞治が6歳、貧しさゆえに叔父の養子となる前日へ。無邪気に騒ぐ貞治に対して母と叔母は「オメエはタニムラの殿様だよ。だから辛くたって泣いちゃだめだぞ・・・」と励ましていた。
ここから貞治、ドラマチックな人生がスタートする。14歳、医者を目指す。19歳の家出、挫折。失意のなか再度の上京。そして運命的な出発点となる中央逓信局に勤める。激動の時代を模索しながらも力強く明日への夢を追いかけていきます。 |