時は西暦一千年初期、坂上田村麻呂の蝦夷征伐が平定した頃、矢沢村高松の山に大きな松の木がありました。朝廷が薦める信教よりも、代々その松を守り神として崇め奉っていた。
ある時、奥六郡を支配していた安倍頼時は、東北一帯を管理する将軍源頼義に命じられて、配下の者宿祢(すくね)を高松に派遣。高松から将軍に召され側女となった娘が病にかかり、それを治すには松の木を切り倒さなければならない。
村の守り神である松、その娘チハヤが父と慕う松が切り倒される。村は大騒ぎとなったが、それならその前にその松の木で立派なお堂を建立し、永遠に奉ろう。伐られることになった松は、切っても切っても翌日には元通りになってしまう。疲れ果てた宿祢は、夢の中でタラの木の精に、松の木を切り倒す方法を教えられ、遂に松は轟音とともに倒れ、その後側女となったチハヤも・・・。
守り神木と娘を崇った御堂が建ち、神楽が舞われた。
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