宙(そら)の巡りのめあて〜宮沢賢治 戯曲四部作〜
植物医師
植物の病院を開院した爾薩待正。いかにもいい加減な、インチキに近い『植物医師』。尋ねて来る農民に上手く話を合わせながら診察料を受け取る。
飢餓陣営
マルトン原の戦いを生き抜いたバナナン軍。
「いくさで死ぬならあきらめもするが、今ごろ飢えて死にたくははない」と、歌い、飲まず食わずのまま眠りに落ちた兵士たち。そこへ現れたバナナン大将のエボレットと勲章を見た軍長は、ある衝動に駆られる・・・
種山ヶ原の夜
種山ヶ原の草小屋で明け方近く、伊藤奎一は夢を見た。楢、柏、樺の樹霊が現れ話始める。はて、これは夢か?俺は草を刈ってしまったか?そう言うたびに樹霊たちは、笑ってはやし立てる。
ポランの広場
つめくさの花の咲く晩、ポランの広場の夏祭りで酒に酔った山猫博士が、酒を飲まないキュステとファゼロに言いがかりをつけ、子供相手に決闘を申し出る。
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