響けミラノの空に 〜伊藤敦子物語〜
明治35年に小山田村(現花巻市東和町小山田)に生まれ、オペラ歌手を志し、イタリアオペラの最高峰・ミラノのスカラ座を目指した伊藤敦子。
世界で活躍する先輩・三浦環に続こうと努力を重ね、国内の風紀規制や親族からの激しい反対、関東大震災などに遭いながらも、ひたむきにアリアを歌い続けた。
結婚、出産を経験し、なお夢を諦めきれず、ついにミラノへ渡ることを果たすが、激しさを増し続ける戦争は、否応なく敦子を混乱の渦に巻き込んでいく。
故郷を離れ、愛する子供たちとも別れ、それでもなおイタリアの地で「蝶々夫人」を歌い続けた一人の女性の物語。
「わたしはきっと、また歌いたかったんです。ただ、歌いたかったんです。イタリーで、いえ、スカラ座で、いいえ、このミラノの空の下で!」
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