教夫と文子の親子が、お盆を迎えた花巻を訪れた。新しくなっている街並を前にした教夫は、昭和16年当時に思いをはせた。
大東亜戦争勃発以来、花巻からも次々と出生兵士が歓呼の声で送られていった。
そして舞台は昭和20年5月頃。戦争中の世俗を中心に勝利への不安を感じながら、日々の暮らしがあった。
そして8月10日、夏の暑い日。花巻大空襲。逃げ惑う人々。爆音が響く。焼け野原となった後の倒壊した家屋から、次々と助け出される中に、必死に子供を守った母親の姿があった。そして九死に一生を得たのが教夫だった。自らの命を張って守った思い、それを感じさせる舞台となりました。
また、当時の証言に基づき構成し、多くの感動をもった劇となりました。 |